先週の10日木曜日から、東京に演奏旅行に行っていました。コンサートだけで帰るのは余りにもったいないので、今回は前後に日程をあけて、たっぷり楽しんできました。
9日水曜日、フランダース・テイルでの演奏を終えて、23時半頃、大阪駅から夜行バスで出発。往復8000円の夜行バスを使うのは経費削減のためですが、東京での滞在をめいっぱい有意義に使うためでもあります。バスは、安いだけあり、観光バスと同じ4列シート。前には足を伸ばすほどのスペースがないのですが、僕の席は最前列だったため、前に隙間があり、ゆったりできました。車内は遮光カーテンで覆われているため、消灯後は真っ暗になります。女性客のほうが多かったくらいですが、女性はなるべく乗らないほうがいいように思いました。
東京に翌朝8時着。宿の近くにカラオケ店があり、フルートの練習ができました。練習に疲れると、知っている曲をカラオケで流しながらフルートを吹いてたりして遊んでいました。
晩は、コンサートを見に出かけました。以下、携帯で書いた日記です。
◆12月10日(木)開場>19:00 開演>20:00 Spanish Connection with Friends
@GRECO(大塚)
山手線の大塚駅そばのライブハウス。初めての店なので、開演時間の20時の30分前に着くように出たはずが、乗り換えの日暮里で山手線を反対方向に乗ってしまう。自宅にいる妻に電話でナビしてもらいなんとか開演時間に滑り込み。細い路地を入ると、なんと会場は住宅街にある普通の家の地下スペース。20畳くらいの部屋に、お客さんがぎっしり満席。この狭い会場に、40人はいるだろうか?奥のベンチを詰めてもらい、なんとか席を確保する。
客層は4、50代の男女半々くらい。男性は会社帰りと思われる、スーツ姿の人が目立つ。みんな、ライブ慣れした感じ。居酒屋のように、和気あいあいと温まっている。しばらくして、15分押しでミュージシャンが登場。フラメンコギターの伊藤芳輝さんがMC、今日は結成10周年で、毎月10日に記念ライブをしてきたという。
今月はシリーズ最後なので、ベース、第二バイオリン、ビオラの三名のゲストを加えての、計6人での豪華な編成だ。伊藤さんが何か喋る度にお客さんが反応し、歓声をあげる。まだ音を一音も出していないのに、期待感で盛り上がっている。ミュージシャンのうち5人は、やはり4、50代か。
田中詩織さんというビオラの子は、若くて可愛い...。みな、まったく統一感がないラフな普段着で、楽譜も譜面台にばさっと置いたまま。ベーシストに至っては、譜面を間違えて持ってきてしまい、家から送ってもらったのだそうだ。僕みたいだ(!)。
タブラの吉見さんは、いつものように床に座っての演奏ではなく、椅子に座りスタンドに立てたタブラを演奏。こんな叩き方があったなんて、面白い!複雑のキメが決まったり、ソロの度に大歓声が起きる。みんな、すごいファンなのだろう。
メインのバイオリンの平松さんの音は線の細い感じ。桃子さんというバイオリニストは、本当に艶のある音色を出す...。人の声で歌っているかのようだ。この人はすごい。擦弦三人のタイミングがぴったり合っていたことが、素晴らしかった。
会場のこの感じ...お客さんが、のびのびと自由にくつろぎ、音楽を心から楽しむ状況。これこそ、理想的なライブの雰囲気。
1 曲目はテレ東の番組テーマ曲だったそうだ。ライブの中休みに、隣で盛んに声援を送っていた熱心なファンのおじさんが話しをしてくださったのだが、NHK教育の人形劇「三銃士」の音楽を伊藤さんが担当したので、その曲が多いそうだ。先月は六本木のスイートベイジルという、300人収容するホールを埋めたそうだが、その後のライブハウスでのコンサートは10人くらいだったとか。小さいライブは、リハーサル的に入れるので、あまり宣伝に力を入れないらしい。なるほど、だから毎晩のように、大物のコンサートが少人数で安価で聞けるのか。ファンにとってはうれしいことだ。
また、伊藤さんはスパニッシュコネクションの他に、弦楽四重奏のためにも作曲していて、詩織さんと桃子さんはそのメンバーなのだそうだ。それにしても、すごい作曲の才能だ。
曲が長いので、1ステージでできるのは4曲が精一杯。ソロまわしがあるわけではないのだが、複雑な構成の大曲が多い。タブラが入って、リズム的な遊びがあり、ベースのおかげでフュージョン的な聴きやすさも加わる。外国の民族音楽を聴いていると、日本人のやる外国音楽とは何か、というところに考えが巡ってしまうのだが、スパニッシュコネクションは小難しいこと抜きに楽しめることが人気の秘密なのかも。MCは、短かったが、堅苦しくなく、よかった。ベテランの風格があった。
3回目のステージは、ファン感謝デーということで、全員が仮装して、寸劇をしながら歌を披露。伊藤さんも、桃子さんも、本当に歌が上手。吉見さんは、ギター弾き語りでアリスのものまね。お客さんも拍手喝采、大満足。結局、アンコールも含めて3時間のステージだった。
平日からこんなハイレベルな演奏が見られるなんて、東京はすごい。刺激をたっぷり頂き、帰途についたのだった。